デジタルの途中 【実装としての社会性】

 佐藤忠彦(IAMASラボ4期生、トリガーデバイス社長)

                                                                            • -

こんにちは。最近気になったガジェットやサービスに関して書いて行きたいと思っています。
FaceBookの勢いが止まらない昨今ですが、初期のIAMASに在籍していた人であればFirstClassというグループウエアがデジャブな人も多いのではないでしょうか。検索するとソフトウエアは今も生き残っているようです。#多分IAMASでは運用されてないと思いますが。
http://www.fcm.co.jp/firstclass/
まあこんなデジャブを言い出すと、Mixiもあったし、TwitterIRCだしでキリがありませんね。進化しているのはFaceBookにしろTwitterにしろ広告ビジネスがガッツり絡んでいる点です。
あと、技術的に言えばHTTP上に実装されているという点でしょうか。例えばFirstClassというのはいま見ても機能満載だし使いやすかったのですが、それは独自のプロトコルトランスポート層で使うことで実現されていました。そう昔は、通信プロトコルとソフトウエアの機能が強く結びついていましたし、それがスマートな事でした。
HTTPは元々ハイパーテキストを見るためのプロトコルでしたが、これは広告ビジネスと大変相性がよかったようで現在ネット上のトラフィックの大半を占めています。擬人化するならHTTPは商売の才能があったといえるでしょう。ちなみにSMTPは素直でいい子ですが、世間知らずで大人になって破綻した感じですね。
あの頃のFirstClassで体験した「村」のような濃いコミュニケーション感は、やはりソレ用に開発されたプロトコルが影響していたかもしれません。
FaceBookTwitterのビジネス的印象はもちろん意図された物であると思いますが、なんというか醸しだされている「ビジネスの匂い」の原因は商売上手なHTTPというプロトコルが原因かもしれません。
今後多くのアプリケーションは積層化されたソフトウエア環境の上に実現されると思いますが、その複雑さが「雰囲気」とか「匂い」みたいな微妙な感覚を醸しだすようになるのかもしれません。