デジタルの途中【マーケットプレイスとしてのOS】

佐藤忠彦(IAMASラボ4期生、トリガーデバイス社長)

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こんにちは。最近気になったガジェットやサービスに関して書いて行きたいと思っています。
さて5/10,11にサンフランシスコでGoogleI/Oが開催されました。いろんなトピックがありますが、商売人として一番衝撃的だったのは、Chrome Web Storeでの販売手数料が5%だということです。
現在itunesストアやAndroidMarketでソフトウエアやコンテンツを売ろうとすると販売手数料として価格の30%必要ですので、利率だけで見ると破格です。
Chrome Web Storeについてはこちら(日本ではまだ決済できません) 
この大胆な価格設定により、多くのアプリがプラットフォームをWebブラウザに移行し、結果ChromeOSの下準備が整うというのが筋書きでしょう。
私自身、ChromeOSとAndroidOSの棲み分けがいまいちピンと来ていなかったのですが、OSをマーケットの入り口として捉えるとその棲み分けに合点がいきます。OSが乱立しているパーソナルコンピュータはブラウザから攻めて、モバイルは最初からマーケット込みのOSを配る。あとは、広まったマーケットで音楽/映像/書籍等のコンテンツや物品を販売したり、そのプロモーション広告がGoogleの収入源になっていくのでしょう。確かに販売手数料で余裕が出た分を広告費に使いそうですね。
あと、一般的な目玉であろうChromeBookは普通の単体売り349ドルに加え、教育機関は月20ドル、企業は月28ドルからソフト/ハードアップデート&メンテ込みの価格を用意しています。大企業のPCは大体2年周期のレンタルが多いですが、明らかにその価格を意識しておりソフト&ハードのサポートを考えるとかなり安いという印象を受けます。
コンセプト的には新しくなく失敗例も多いシンクライアント的なChromeOSですが、魅力的なマーケットにOSがオマケで付いていると考えると、今までの轍は踏まないかもしれません。
AppleのデバイスKindleなどを見ているとプラットフォームとマーケットプレイスが同義になっている感じですね。みんな商魂たくましい。Microsoftのゆっくりさが微笑ましいです。