2011.3.25ヌートリアまわり通信への寄稿分

デジタルの途中 【Googleの中の人】
佐藤忠彦(IAMASラボ4期生、トリガーデバイス社長)

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こんにちは。最近気になったガジェットやサービスに関して書いて行きたいと思っています。
今回の震災でGoogleが用意したサイトは大変有用で多くの人を救っていると思います。
東北地方太平洋沖地震http://goo.gl/saigai
なかでも、消息情報(http://goo.gl/sagas)での避難所名簿共有サービスと人間OCRの組み合わせや、ホンダと協力した自動車通行実績マップや避難情報系のマップなどは、アイデアとしてもすばらしいですね。
これらのサービスを利用していて感じたのは、今までのGoogleサービスと比較して大変人間味があるという点です。コンテンツ制作やリンク作成、サービスのアップデートコメント等の中にすごく「Googleの中の人」を感じました。
おそらくGoogleという会社は「機械に出来ることを機械にさせる」を世界一徹底して取り組んでいた会社だと思います。「アルゴリズムを見つける」→「実装する」→「コンピュータが頑張る」というのがGoogleサービスの特徴ですが、これは逆に言えば「機械でできることを人間にさせない」を突き詰めていたとも言えます。つまりリンク集作成や細かなコンテンツ追加など「人力」が目立つようなサービスは今まで殆どありませんでした。
しかし今回は「人力」で初期のコンテンツを整備し「使える」サイトにしてサービスとしてのパフォーマンスを最大にしました。もちろんサービスの実装もリアルタイム更新な感じですすんでいました。
機械による効率化を突き詰めていたGoogleは「今、人間に何ができるか?」の答えも短時間で的確に出せて、実行出来る集団になっています。こういった有事の際に発揮される「火事場の力」みたいなものは(ビジネス的には評価しにくいかもしれませんが)底力として多くの人の記憶に残るでしょう。そうそう、よく考えたらTwitterも落ちませんでしたね。
見えるところ、見えないところでの今回の対応が今後の評価に繋がるのは間違いないでしょう。ネット越しに人の汗を感じた2週間でした。