2011.2.25ヌートリアまわり通信への寄稿分

デジタルの途中 【クラウドは粉モノ商売】 
佐藤忠彦(IAMASラボ4期生、トリガーデバイス社長)

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こんにちは。最近気になったガジェットやサービスに関して書いて行きたいと思っています。

また小麦粉の価格が上がりそうですね。彼国では小麦粉の高騰が政変の原因の一つと言われているくらい大事件です。私の家でもホームベーカリーが美味しいパンを毎朝作ってくれていますので、値上げは困ります。
高くなったとは言え小麦粉は、パンになったり、麺になったりで粉→食品に変化する際の付加価値がハンバないですね。垂井の美味しいパン屋さんグルマンも今ではアチコチにお店があります。美味しいという付加価値は偉大です。
でも一番安定して儲かっているのは、小麦→粉にしている人達であることを忘れてはいけません。最近クラウド利用のコスト計算していたら小麦粉のことを思い出しました。
http://aws.amazon.com/jp/s3/#pricing
大手のクラウドサービスの価格です。これは1GBをクラウド上で借りるといくらになるかという計算です。
DropBoxもこのサービスを使っていると言われていますが、現在2GB無料お試しで使えるのでDropBoxの会社は多分$0.2くらいを新規加入者に対して広告費として負担しているといえるでしょう。
集積回路におけるムーアの法則は多少の誤差はあれ、もはや重力のように当たり前の力として捉えられており、それを使って生み出されるクラウドパワー(処理能力や記録容量)は、毎年コストパフォーマンスが良くなっています。おそらく今後10年くらいはクラウドパワーの需要は減らないでしょうから、集積回路クラウドパワーを生み出す現場は日々安くなる集積回路に一定の利益率を掛けてクラウドパワーを切り売りすればよく、無尽蔵な需要でのスケールメリットを考えると莫大な利益になるでしょう。アマゾンやグーグルが製粉所で、他の企業は美味しいパンや美味しい麺を作っているって感じですね。
粉モノ商売は自然の力で出来た作物を粉状にする事で利益を生んでいますが、IT関連の経済的部分は「ムーアの法則」なんて訳の分からない力が前提で成り立っている訳で、それを思うとなんだかグラグラしてきますね。

ムーアの法則 http://e-words.jp/w/E383A0E383BCE382A2E381AEE6B395E58987.html