2010.12.24ヌートリアまわり通信寄稿分

デジタルの途中 【スキャン代行サービスの行方】 
 佐藤忠彦(IAMASアカデミー4期生、トリガーデバイス社長)

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こんばんは。最近気になったガジェットやサービスに関して書いて行きたいと思っています。
家の中が本だらけの人も多いですよね。私はペーパレス原理主義者なので紙類はどんどんスキャナーにかけて、デジタルデータにしてニマニマしています。本も裁断機でバラバラにして、スキャンしてニマニマ。最近この行為が「自炊」なんて命名され市民権を得て喜ばしい事です。
で、この自炊を代行するサービスがタケノコのように出てきて価格競争になっています。これは自分の本を送ってスキャン→デジタルデータにしてもらうサービスで、1冊100円を売りにした業者が出てきてから価格競争が激化。今は1冊30円とか言い出している業者もいます。
しかしこのサービス、著作権的にはグレーです。自分の本を、自分のために自分でスキャンするのは問題ないです。著作権者に黙って他人にやってもらうのがヤバいです。「身体なんてもともと代行なんだから自分も他人も一緒」なんて屁理屈も多分ダメです。でもデータの不正利用さえ防げば、本は購入される訳だし、裁断されるので中古市場にも行かないからなんとなくグレーのままでいい気もするんですけどね。
今後書籍が電子化する過程で、リアル本を想定した状況との歪はもっと出てきます。例えば、自分の 電子書籍は友人に貸出できる?、図書館はどうなる?等。技術的な解決策はいくつかありますが、スキャン代行サービスも含め、どう法律が整備(解釈)されるでしょうか。
なんか、こういったデジタル化の歪や泥臭い感じ嫌いじゃないです。こういう現場に遭遇すると「生きてるなぁ」と思います。

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最後の「生きているなぁ」はいきなり過ぎた。削るべきだった。