デジタルの途中【写真ならざるモノ】

先日イーストマン・コダックが日本で言う破産申請をしたニュースが流れ、世間ではフィルム時代終焉の象徴のような報道がされました。
実のところ、プロフェッショナルの世界でもコンシューマの世界でもフィルムカメラデジタルカメラの逆転はずいぶん前に済んでおり、ニュースの実体は経営の失敗なのですが、このところの光学機器の動きも気になったので、今日は撮影機器の話題です。

Tamaggo
日本語の「卵」と社名は掛けてあると思いますが、おそらく真面目な会社です。某国の男性専用商品を思い出してしまった私はダメ人間です。すいません。
レンズとソフトウエアさえあれば同じことが現在のカメラでも出来ますが(実際に近い製品はあった)、パノラマ写真というコンテンツから逆算するとこの形の意味も理解できます。これならフレームという概念から開放されやすいですね。

Lytro
これはちょっと前に発表されたものですが、あとからピントを合わせられるカメラです。
仕組み的には、ピントをずらした平面データを連続して持っており、シミュレーションするみたいにあとからピント合わせができます。

Balloon Mapping Kits by mathew lippincott ― Kickstarter
eye3 by Kellie Sigler ― Kickstarter
Kickstaterというサイトですが、ここではアイデアを考えた人が資金を募って実現するためのサポートをしています。面白いのでよく見ているのですが、ここで最近撮影ネタが多い気がします。リンク先は前者はバルーンカメラ、カイトカメラと呼ばれるような分野のアイデアです。後者はもう一昔前の偵察機ですね。この分野はかなり盛んでいろんなタイプのモノが世の中にあります。

視覚は触覚から発達しましたが、光に反応していたために視界というフレームを作り出しました。
光学的な入力デバイスはすでに人間の認識できる解像度を超えており、もうフレームという概念下では技術的な行き詰まりがあるのかもしれません。
今回紹介した例は、撮影するといってもフレームという概念よりは触覚的な周りの情報のセンシングに回帰したような装置です。そういえばXBoxKinectも映像をデータとして扱っている良い例ですね。またこれらのアイデアが一般的な光学機器メーカーからではなく、ベンチャー的な企業から発信されているのも興味深いムーブメントといえます。
今後も撮影という行為が映像だけでなく空間の情報を取得するという流れは止まる事がないでしょうね。