Evernoteの本が出た。まあ、日本でのEvernote人気からすると本が出ること自体は驚かないが、電子出版という事と出版社や編集者が不在で著者だけでリリースに漕ぎ着けている事はちょっと革命に近いのではないかと思う。特に、執筆陣だけで本を作ってしまったことは今後の動きとして見逃せないと思う。
本を出版している何人かの知り合いの話を聞くと出版社や編集者さんというのは、基本的にはリスク管理がメインだという印象を持った。確かに、紙の本を流通させるリスクと出版社のブランドを保つリスクは大きい。それはまさにリアル本の読者マーケットに対するリスクであり、インターネットの読者に対して、電子出版をするリスクはとは全く違う。基本的に電子出版は在庫の心配はないし、ターゲットを予め絞れる分リスク管理は大変容易いと思う。
しかも、ライフハックのプロフェッショナルな執筆者の共著となれば、お互いを編集者として相互チェックできるだろうし、校正データの共有なども得意だろう。研究者が混じっていれば論文の延長でレイアウトも出来る。恐ろしく美しい論文を書く研究者は沢山いる。*1
あと、このサイトにも触れられているがEvernoteのバージョンアップに合わせてこの本自体も改訂されていくそうである。これもリアル本であったら大変難しい。出版社からすると改訂版を出すリスクというのはかなり大きいと思う。話題性に乏しいし、出荷数も初版を超えることは難しい。
電子出版を「本のように整理された情報」と見る限り、読者にとっても著者にとってもハッピーな事ばかりである。

で、肝心な内容ですがレシピ風で自分にあった使い方を試せる感じで便利です。早速、45$払いました。特に、ノートブックと階層タグの使い方はいまいちピンと来てなかったので参考になりました。でも、もうここまで来るとノートブックという概念自体必要ないと思うのは私だけでしょうか。Gmailでタグとスターだけの管理に慣れてしまったので、たぶんあんまりノートブック使わないと思います。
ファイル管理をEvernoteでやるのも大変魅力的です。でも、ノートに添付したファイルだけをエクスポートするのってどうしたらいいんでしょう?。フォルダ移動みたいな事をしたり人にUSBメモリでファイルを渡すとき、今はそのファイルのアプリを起動して保存場所を変えてやったり、htmlを吐き出してリンクでダウンロードしているのでめんどくさいです。ここがうまく出来たらFenrirFSの代わりになりそう。

*1:個人的には、学術誌や専門誌の研究者が書いたコラム連載をまとめて見たい。